「 子どもにやさしいまち」ってどんな街?~千葉大学教授 木下 勇先生に聞きました | 松戸子育て応援サイトまつどあ

「 子どもにやさしいまち」ってどんな街?~千葉大学教授 木下 勇先生に聞きました

外で子どもを遊ばせるのは心配…。学校から帰ると家でゲームばかり…。と感じることはありませんか?
もし、子どもが安全に安心して外でのびのび遊べることができたら…そんな街は夢の話ではありません。
「子どもにやさしい街づくり」を研究している千葉大学教授木下 勇先生からワクワクするお話をうかがいました。



イギリスのある住宅街では一部のアスファルト道路を芝生にかえる実験がなされました。この場所からホームゾーンといわれる、車を時速15キロ以下で通行させ、子どもが遊べる道路づくりの運動がイギリスではじまりました。
外で立ち話をする人が増え、パラソルを持ち出して寝そべる人も出てきました。子ども同士集まって道路で遊んだり、隣近所の人とも顔を合わす機会が増えるので会話も弾み、子どもを預けあうようにもなったそうです。(写真copy;Adrian Sinclair)
外に出る人が増えると自然と人の目も外へ向きます。
そこが「子どもにやさしい街」になるための一番重要なポイントです。

見知らぬ人にこそ声をかけよう!

子どもに不審者ってどんな人だろう?似顔絵を描かせてみたことはありますか?
図は研究室の大学院生リーラ・プロビ・ドリアンダさんが調査した結果です。

黒いサングラスをかけ帽子を目深にかぶり、マスクをしている…子どものイメージする不審者と現実には大きなギャップがあります。
子どもに見知らぬ人とは話さないと教えるようになった世の中ですが、大人までもが同じことをすると返って逆効果。挨拶ひとつで相手はチェックされている!と感じます。よその人に関心を持ち、話しかけることも防犯につながります。
そして子どもには、学校から配られる不審者情報をもとに不審者の見分け方を教えましょう。

子どもは道草で成長する!?

私達が子どもの頃は下校途中わざわざ寄り道をしたり、抜け道を探検したり親に内緒で秘密基地を作った経験がきっとあるはずです。その中で私達はたくさんのことを学びました。
子どもが通る道は生活や知恵を学ぶ場でもあるのです。
アメリカの建築家ルイス・カーンの言葉に「都市というのは、通りを歩いていてその子が将来何になりたいか感じられる場所でなければならない」とあります。
本当は自分が何が好きで、何が向いているのか。
自分の特性や好きな仕事を考えるのは、学校や家の中ではないのですね。
街の中でいろいろな生活や仕事の有り様を知り、自分でいろいろ試しながら自分の得意不得意を知り、興味を伸ばす。そういう出会いも道からです。安心して道草できる環境を与えてあげたいですね

子どもを守るリスクマネージメント力

「バブルラップキッズ」というのを聞いたことはありますか?
「緩衝材に包まれた子ども」という意味で、最近世界で増加傾向にあります。危険だからと車で送迎し、危ないからやってはダメという。これでは子どもが危険に対処する能力(リスクマネージメント)が育ちません。
通学路はこのリスクマネージメント力を養う絶好のチャンスです。
まずお子さんからどのような場所で道草しているか訊いてみましょう。そこで実際にお子さんと一緒に歩いてみることをオススメします。
車の危険性はないか?怪我をする心配はないか?チェックしてみましょう。
お子さんとこんなときはどうするか?見知らぬ人から声をかけられたら?と対処法を話し合いましょう。
もし通学路沿いにお店がある場合、挨拶をするように心がけるといいですね。地域のお店の人に子どもの顔を覚えてもらえば、下校時の安全につながります。

コミュニティガーデンをつくろう!

あなたの住む町の近くに空き地をみかけませんか?
何年も空き地のままというのはもったいないし、防犯上もあまり好ましいことではありません。
1年契約でもいいから、地域のためにと、出来るなら無償で借りて暫定的に利用します。大事なことは人が外に出たくなる工夫です。
この場所にちょっと休憩できるベンチを置いたり、ちょっとした花壇を作ってみるのもいいですね。地面を耕してみんなの菜園が出来ると、畑の手入れをしようと近所の人が外に出てきてくれます。
子どもが近くを歩けば挨拶から会話が生まれるでしょう。こうなると我が子はたくさんの地域の人たちの目に守られることになるのです。

子どもを自分達親だけの手で守り育てることには限界があります。日中仕事でいないのであれば、日中手の空いている近隣の人の手を大いに借りて子育てをしていいのです。コミュニティーとの関係を深くして、コミュニティー全体で子どもを育てていきましょう。

木下 勇 教授
スイス連邦工科大学留学、1984年東京工業大大学院博士後期課程を修了。
遊び場のテーマで工学博士の学位を取得。東京世田谷で四世代遊び場マップづくりに従事し、子ども参画のまちづくりを進める。
1992年より千葉大学園芸学部に勤める。
松戸小金地区のまちづくりにも関わる。

【参考文献】
子どもはどこで犯罪にあっているか 中村功著 晶文社
子どもが道草できるまちづくり 仙田満・上岡直見編 学芸出版社
安全・安心なまちを子ども達へ 中村功著 自治体研究社
ワークショップ 住民主体のまちづくりへの方法論
木下勇著 学芸出版社
遊びと街のエコロジー 木下勇著 丸善

広告